女性が一生を生き抜くために、お金はいくら必要なのか。経営コンサルタントが考えてみた

  2017/9/28 更新

こんにちは。女性の「働いて、生きる」を支える経営コンサルタント、小紫恵美子です。

前回、人生山あり谷ありの中でも働き続けることの“効能”を書きましたが、今回からは、焦点をしぼって考えていきましょう。
3つの質問について考えてみてください。

まずはこの質問から。

一つ目の質問 何のために働いていますか?

もちろんいろいろと目的はありますが、おそらくほぼ全員の方の理由のひとつとして挙がってくるのが「お金」ではないでしょうか。

生きていくのにはお金がかかります。
老後の不安もそろそろ視野に入ってくるアラフォー、アラフィフとしては、どれくらいかかるか、冷静に把握しておきたいところです。
もし、老後のための貯蓄額は◎◎円必要ですよ!と言われて不安になっているのなら、その不安は不要。
なぜなら、まず他人からあるべき生活費を指摘されることがおかしい、と判断しないといけないからです。

最初に考えなくてはいけないのは、
「いったい私はいくらあれば満足なの?」
という“自分軸”です。
実はこれ、起業するときにも同じ。
いくら売り上げられるかな、ではなく、
仕事をすることで、結果、自分の手元に残したいか、というところからスタートするものです。
(この話はまた起業がテーマの際に)。

いくら稼ぎたいか、どんな生活がしたいかは、他人からとやかく言われることではなく、
ましてや、人と比較して決めることではありません。
現時点で、自分の心で納得した金額を出してくださいね。
これが出るまでは、お金の不安、は持ちようがないはずです。

2つ目の質問 あなたは、ひと月にいくら手元にあれば、安心して暮らせますか?

今現在、家賃、食費、それ以外の生活費として使っている、あるいは必要な金額を算出し、
老後はその金額の7割くらいで暮らすとすると・・・などと計算していきます。
これが手元にあってほしい金額のはず。
毎月いくらくらいか、ぱっと計算してみましょう。

さらにここで知っておいたほうがいいのが、
「今はまだ経験していないけれど、将来いろいろとかかってくるであろう出費」の話です。

これも、様々なケースがあるので、たとえばこういう場合、という一例として挙げていきます。
(1)介護
要介護度3の場合、在宅介護にかかる毎月の費用としては、
介護サービス料4.7万、介護サービス以外の費用2.5万円で、
月に7.2万円とされています
(出典:家庭経済研究所「在宅介護のお金と負担」より)。

介護サービス以外の費用で負担する分を増やしていけば当然、ここは上がっていきます。

(2)育児
幼稚園から高校まで公立、大学は私立の場合、
幼稚園から高校までの15年で総額523万円、
私立大学の平均年間授業料が131万9,700円/年
ですから、
総額で1000万は超えることになります。
(出典:文科省 平成26年度「子どもの学習費調査」より。ただし、大学費用は独立行政法人日本学生支援機構 平成24年度学生生活調査より)

アラフォー、アラフィフの方ですと、すでにお子さんが高校生くらいまで成長されているご家庭もあり、
その場合には、残りの金額を加算することになります。

(3)闘病(乳がんの場合)
入院費用として医療費総額 54万2,043円、
その内自己負担額が16万2,613円。
院外費用として医療費総額 5万151円、
その内自己負担額が1万5,045円
(出典:がん保険の教科書より厚労省「医療給付実態調査」平成25年度をもとに集計したデータ)。

保険で賄われる場合には、この限りではありませんし、もちろん症状や選択した治療法によっても大きく変わってきます。
ご自身が毎月これだけは欲しい、という“最低所得”に、
こうしたあらかじめ計上していなかった費用を積み増したものが、私達にとっての必要な所得、
ということになります。

2017年3月に発表された女性の平均寿命は86.99歳とのこと。
たとえば65歳まで働いていて、
そのあと20年生きるとし、
毎月25万の生活費で暮らしたい、というケースを考えてみましょう。

仕事をしなければ老後資金は25万×12か月×20年=6,000万円、ということになり、
これを全て事前に貯蓄で準備しなくてはならない、というのはとても大変なように思えます。

しかし、25万のうち、10万は年金でもらえるとすると、
残り15万のうち、月12万くらい稼げるような仕事を75歳まで続けることができれば、
貯蓄で準備しておかなくてはならない金額は
3万×12か月×10年+15万×12か月×10年=2,160万円
と3分の1近くに減ります。

いくら必要かを考え、そのために働き続けることで不安も減らすことができるのです。

(年金の額の「10万円」は、現在の女性の厚生年金平均額10万2,131円を参考としています。 出典:平成29年3月厚生労働省年金局「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」p22より)

3つ目の質問 安心して暮らしていくために、どうやって働き続けますか?

今、会社勤めなら、そこを続けるか、転職するかという選択肢があります。
今年3月の働き方改革実行計画の中に盛り込まれたこともあり、今後は副業や兼業も認められやすくなってくるでしょう。
起業という手もあります。
ただし、前回書いたように、加齢とともに体力や更年期といった問題も出てきますので、無理なスケジュール設計は禁物です。

今から20年前後の間、イキイキと働き続けていくために、自分ができる仕事は何なのか再設計してみる必要があります。
たとえば、自分自身がここまで経験してきた仕事や、
できること、好きなコトで、他人が求めてくれるもの
(=人から必要とされているもの=お金、コストをかける価値があると思ってもらえるもの)
にはなにがあるでしょうか?

頭の中だけで考えていてもなかなかわからないものです。
一度、紙に書き出して「たな卸し」をしてみましょう。
書いているうちに、そういえば私こんなこともできたな、
こんなこと昔やりたいと思っていたな・・・
いろいろ思い出すことも出てくるはずです。

書いたものを見せながらご家族や親しい人に聴いてみるのもいいですし、
「できること」に関しては、人から褒められたことがある事柄なども思い出してみると、書くことが少しずつ増えます。

人生100年として、25年ごとに区切ると、50歳までで第2タームを終えることになります。
ここまで得てきた自分自身の力(ちから)、家族や友人とのつながり、ためてきたお金(動産、不動産)、といった「自分資産」をもう一度見直して、
このあとの第3、4タームで何を使って仕事をしていくか、楽しみながらプランを作れるといいですね。

最後に大事なポイントをもう一度

人とむやみに比較しないこと。
自分がどんな生活をしたいのか、どんなときに「幸せだな」と感じられるのかは一人ひとり違うはずですし、
変化していくものです。
正直に自分の心に聴いて、必要な金額を決めるところからスタートしましょう。


株式会社チャレンジ&グロー代表取締役
中小企業診断士 小紫恵美子