おひとりさまの不動産投資 本当に利益が出るの? 投資プランの立て方

  2017/10/4 更新

こんにちは。不動産鑑定士の木下典子です。

おひとりさまが不動産投資を始めるときに必要なのが人生プランです。
毎月、あるいは毎年いくら収入が欲しいのか、
何年くらい続けられたら良いのか、
という自分自身の人生プランを立てることが必要かつ大切です。

2つの収入 インカムゲインとキャピタルゲイン

不動産投資による収入には、2種類あります。
月々の家賃収入であるインカムゲイン。
最終的に売却した時の利益であるキャピタルゲイン。
キャピタルゲインを狙うには、いい物件を相場より安い価格で購入することが必要です。

が、これはなかなか難しい。
そのため、確実なインカムゲインを狙える物件を探しましょう。

実際いくら儲かるのか 利回りの計算

不動産投資の利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。
表面利回りとは、年間家賃収入÷物件価格のこと。
収益を簡単に把握できるので一般的には表面利回りをよく使います。

しかし、実際には、家賃収入がそのまま収益になるのではなく、不動産を維持するためには様々な経費がかかりますよね。
その経費まで考慮したものが実質利回りです。

実質利回りは、(年間家賃収入-運営費用)÷物件価格。
表面利回りよりも現実的な数字となります。

運営費用とは、賃貸管理委託手数料、固定資産税、都市計画税、火災保険料など、不動産に必ずついて回る費用を指します。
その他に、物件の空室率から収入がない期間を加味します。
さらに、今後の修繕積立金を費用に含めて考えなければなりません。
これらの計算は、建物の築年数や維持管理の状況を把握して行います。

あるおひとりさまの不動産投資シミュレーション

現在、年収600万円の正社員で働くおひとりさまがいます。
彼女の収入はほぼ安定しているし、貯金もそこそこあります。
が、将来のことを考えて不動産投資による不労所得、インカムゲインを得たい、と考えています。

彼女が今の年収である600万円をすべて不動産収入で賄いたいと考えたら・・・。

安定した物件の利回りは3%と仮定すると、
収入を利回りで割り戻して試算した購入価格は2億円になります。
2億円なんて大金をそうそう貯金しているわけではないから、購入にはローンを組むことになります。
が・・・ローンを組むにしてはあまりにも危険すぎますよね。

となると、年間いくら不動産から収入が欲しいのか目標を設定することから始めます。

その時に、今の仕事はどうするのか、今後はどれくらいの年収が見込まれるのか、
どのような生活がしたいのか、倹約一筋で生きるのか、年に何回かは旅行に行くのか

結局は人生プランを立てないと、不動産投資にいくらお金を掛けられるのかがわからないのです。

不動産は「常に育てる」投資である

株式などの投資と同じような位置づけで不動産投資を見る人がいます。
また、収益はさておき、不動産を所有したい、オーナーになりたいという気持ちが先行する方もよくいます。
競売で物件を落札したり、契約や手続き、建物の維持管理まで自分でやりたいという購入の手続きが目的になっている人もいます。

しかし忘れてはいけないのは、不動産は年を経るにつれて、維持管理の状態が変化していき、それによって収益性が大きく変わっていくことす。

放っておいてもタダで収入が得られるわけではないのです。
今の家賃を維持して、空室率を減らすためには、常に手をかけて目をかけていかなければならないのです。

もちろん常に不動産に関する勉強も必要です。

面倒!という方は、管理会社にフィーを払って任せてもOK。
ただし、その分報酬は減少します。
どちらにせよ、人生プランを描いて、不動産からどれだけの収益を得たいのか、しっかりと基準を持たないと赤字になりかねません。

最後はどうする? 出口戦略を考えておく

私は不動産鑑定士のため、このような相談をよく受けます。

親が昔バブルの頃に温泉が出るという地方の別荘地を購入し相続したものの、
使いもしないのに維持管理の為の費用だけがかかり続けているがどうしたらよいのかという相談。

先祖所有の土地の有効活用ということで親がアパートを建てた。
しかし、築年数が経過して、建物が古くなってしまった。
駅からも遠いので空室が多く、家賃収入が当初ほど得られない。
しかも建物のローンがまだ残っている。

これらはいずれも、出口戦略を誤った投資だったといえます。

不動産の営業マンのセールストークに乗って購入してしまい、購入当初はよかったものの、収益が下がり続けるのに反比例して費用もかかり続けるために、このようなことが起こるのです。
このような不動産にはもはや買い手もつかず、手放すことすらできません。


マイナスのことばかり話すと、では不動産投資はしないほうがいいのか、と思われるでしょう。
そんなことは全くありません。
人生において、不動産の購入は数少ない高額の買い物。
ご縁とタイミングと勢いも大切です。

不動産投資は、自分の目の届く、手の届く、納得できる範囲としっかりと決めて行えば、
確実にそして楽しみながら収入を得られる魅力的な一つの手段になるのです。

不動産鑑定士 木下典子