おひとりさまの不動産投資は老後の安定を約束してくれるのか?

  2017/10/4 更新

こんにちは。不動産鑑定士の木下典子です。

おひとりさまは、仕事を持ち、経済的に自立できる収入を持っています。
正社員で雇用されて収入が安定しているおひとりさまもいれば、
不定期・不安定な収入でもトータルすると十分食べていけるというおひとりさまもいるでしょう。

しかし、いずれにしても、この先、歳を重ねてからも今の経済状態を維持できるかどうかはわかりません。
いつだってだれだって将来のお金の不安は尽きないのです。

一方で、自分が働かなくても所有する資産で収入が得られる不労所得はとても魅力的に思えますよね。
今回は、おひとりさまの不動産投資について考えてみましょう。

資金調達 ~初めての投資でローンはお勧めできません~

投資用不動産の購入資金は多額になるため、ローンを組むことがあります。

しかし、初めての不動産投資においては、ローンは決してお勧めできません。
特に目的が、老後の不安を小さくすることと、将来の安定収入を得ることであればなおさら。
できるだけ継続的な支出を減らすことを考えてほしいのです。

と、いうのはローンで不動産投資を始めたものの返済ができなくなってしまい破産するというケースが非常に多いのです。
これまで安定した経済生活を送ってきたのに、ここに至って不動産投資で破産なんてことはあってはなりません。

そのため、最初は預貯金の範囲で投資できる、価格が低い区分所有建物(マンション)1戸から始めることをお勧めします。

物件選び ~営業の甘い誘惑に要注意~

不動産投資でこうすれば儲かるという本やネット情報はたくさんあります。

が、大切なのは、自分自身の目が届くかどうか。

マンションの選び方は立地がすべて。
たとえば、建物の築年数、それに関わる設備の新旧、新耐震基準の建築物かどうか・・・
様々な重要なポイントもあります。
立地さえよければ、専有部分にリフォームやリノベーションを行い、新築同様にして家賃を上げて収益性を高めることができます。

投資用マンションを検討するにあたり、気を付けてほしいのは営業マンのセールストーク。
利回りや立地など魅惑的な言葉が並びます。

ですが、不動産の業界において、本当にお買い得な情報は一般市場には出回りません。
不動産投資は情報戦です。プロは質の良い情報を求めて日夜切磋琢磨しています。
なので、誰でも簡単に入手できる営業マンのトークは、決して良い情報ではないのです。

本当に住みたい? 私の肌感覚が一番あてになる

購入に際して、他人任せ、他人の情報任せにしないことが大切です。
もちろん投資についての勉強は必要です。

が、それ以上に
どうも納得できない、違うような気がする、自分はそうは思わない、
という感覚を持ってほしいのです。

具体的には・・・
こんな古くて暗い部屋に住みたい人がいるのだろうか
こんな狭い部屋でも家賃が割安だったら借りる人がつくのだろうか
自分だったらあんまり住みたくないなあ
という感覚です。まさに肌感覚。

不動産の営業マンは、収益の数字だけでこの物件は儲かりますと言ってきます。
が、最終的にすべての責任を負うのはあなた自身。
不動産は一旦取得すると、簡単に手放すことができません。
そして、所有する間は常に経費がかかり続けます。
家賃が経費より低いとその分赤字となり、月々のマイナスがどんどん膨らんでしまいます。
最後は私が住むからいいや、と考えるのであればよいのですが・・・。
購入するときに、5年後10年後あるいは20年後に手放す出口戦略を設定することは大切なのです。

不動産投資にはあなたの人生観を反映させて

投資の前提として、自分の人生プランを考える必要があります。
人生プランの中で、不動産投資による収益の割合をいくらに設定するのか
どのくらいの期間所有するのか、
初期投資にいくらまでかかるのか・・・

不動産投資の前に、20年、30年先の人生プランを立てることが、実は最も重要で最初にすべきことなのです。

不動産鑑定士 木下典子