たったひとりで死んだらどうなる~おひとりさまのお葬式・死後の財産

作者: ヒメノワ
  2017/11/17 更新

未婚であったり、離婚していたりで配偶者がおらず、子供もいない。
両親はすでに他界しており、ひとりっ子で兄弟姉妹もいない。
そんな本当の「おひとりさま」が、思いがけず急死した場合、その後の手続きや、財産の処分はどうなるのでしょう。


誰にも知られず、発見されずに死ぬ怖さ

身近な親族がいないおひとりさまが、ひとりきりで亡くなった場合、まず、「誰に発見してもらうか」「死亡届は誰が出すのか」という問題が発生します。
続いて「葬儀は誰に出してもらうか」。
そのあとに「財産はどのように処分され誰に渡るか」という問題が続きます。

死亡発見者は、仕事関係者や知人などが、連絡が取れないのを不審に思って家を訪問した際に見つけるケースが多いです。
が、相手がたまたま長期休暇中であったり、亡くなった方が普段から他人との連絡をあまり取らない場合は、しばらくの間は発見されないことも考えられます。
誰にも看取られずに息を引き取った上に、腐敗してから発見される・・・などという悲惨な最期を迎えてしまう可能性は十分にあるのです。

私が亡くなった後の届け出

死亡届は、戸籍法で死亡発見から7日以内に「同居の親族」「同居でない親族」「同居人」「家主・地主」などが届出義務者とされています。
おひとりさまの場合は、同居の親族はいないため、別居の6親等内親族か、同棲者やルームメイトなどが該当します。
しかし、そういった人もいない場合は、賃貸住宅の大家さんや管理組合の責任者などになります。
これらに当てはまらず、孤独死した場合は、検死を行った警察官、発見後に病院に搬送されていたらその病院の医師が届出人となります。

ここで注意しなければならないのは、同居していない他人、つまり友人や知人は届出義務者に入っていないという点です。
役所に行っても、届出義務者が本当に誰もいないのかの証明をしなければ受理してもらえません。
証明をする間、遺体の保管をしなければならないので、葬儀社に保管を依頼することになります。当然ながら安くないその費用も嵩んでいきます。

葬儀や埋葬は誰が行う?その費用は??

葬儀・埋葬については、死亡届が受理され、埋火葬許可が発行されてから行うことができます。
親族がいたとしても、疎遠で何年も会っていなかったり、顔も見たことがないような遠縁の場合、遺体の引き取りを拒否されることもあるかもしれません。
その場合は、自治体の費用負担で火葬されて無縁墓に埋葬されることになります。

仕事仲間や友人知人が葬儀から埋葬までを取り仕切ってくれた場合ですが、葬儀などの費用は「相続財産管理人」に請求して、本人の相続財産の中から返還してもらいます。

「相続財産管理人」とは、家庭裁判所で任命されたおひとりさまの死後に遺産を管理する人のことです。亡くなった方の相続人がいるかどうかわからない場合に、検察官もしくは大家さんなどの利害関係人(被相続人の債権者,特定遺贈を受けた者,特別縁故者など)が家庭裁判所に申し立てます。

残った財産の処分はどうなる?

相続人がひとりもいない場合、亡くなった人が持っていた不動産や現預金などの相続財産は、最終的には国庫に帰属することになっています。
利害関係人、もしくは「相続財産管理人」が、相続人がいないことを証明する手続きを行ってから確定します。

ただし、内縁者や、生前に療養看護をしていた人、正式な遺言書はないが財産を譲ってもらう約束を生前にしていた人がいた場合、その人に相続権が発生する場合もあります。
この場合も裁判所に申し立てを行い、認められることが条件です。

たった一人の死は大きな負担がかかる

これらの手続きは、当然ながら煩雑で長い期間がかかるうえ、弁護士や司法書士に依頼する報酬を含めると10万円ほどの費用が必要になります。
また、不存在の確認をしていて、相続人が見つかった場合はその人に渡るわけですが、捜索をしなければ見つからないような相続人に財産が渡るのは本意とは言えないのではないでしょうか。

 このように、おひとりさまが自宅で亡くなった場合、何も準備をしていなければ自分の希望とはかけ離れた処理がなされ、関係する人たちにも大きな負担がかかります。
いわゆる「ろくな死に方をしない」という事態になってしまうわけです。
そんな事態を未然に防ぐために、元気で若い今のうちから対策を行うことが必要です。

ときた行政書士事務所 行政書士 家族信託専門士 時田美奈
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