95.6%が「仕事との両立が困難」と答えた不妊治療。私が出した結論とは。

  2018/4/20
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こんにちは。

株会社オージュ・コンサルティング代表取締役 大森渚です。

1)不妊治療、やめました。

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友人からのライン。「ガンが見つかって今度入院しなくちゃいけなくなった」。病気とか入院とか他人ごとと思っていたけど、身近な人たちの話を聞いて不安になる。今は健康で働いているけど、もし何かあったら・・・?
もう一つ、気になるのは年老いた親。最近は階段の昇り降りがつらいらしい。親の介護が必要になったら、面倒を見るのは多分、娘の私になるだろう。「すぐそこに迫る医療や介護の知識を正しく知る」ためのジャンルです。
1年間続けてきた不妊治療をやめることにしました。
理由は、仕事を続けていく上で、あまりにも負担が大きかったからです。


治療開始時にすでに30代終わりだった私は、数回の人工受精を行った後、体外受精に進みました。


体外受精は、卵子を体内から取り出して受精させ、再び女性の体に戻す方法です。自然の方法に比較的近い人工受精に対して、女性の体への負担が大きいと言われています。覚悟はしていたのですが、実際に治療に入ると、その負担は想像以上でした。


具体的には、このようなことに頭を悩ませました。


・多い時期は2日に1回通院(仕事は休むよう言われる)
・通院するたびに3時間待ち
・ホルモン剤や排卵誘発剤でむくむ体
・痛くて精神的にもきつい採卵
・治療のたびに飛んでいく数十万円…


そして、私の場合、一番大きかったのが精神面の負担でした。


特に不妊治療の最後の2~3か月は、
感情の浮き沈みが激しくなりました。
急にイライラしたり、落ち込んだりするようになりました。
体を動かす気力すらないこともありました。


これ以上不妊治療を続けたら、
仕事にも日常生活にも支障が出るのは見えていました。


さんざん悩んだ末、
このまま自分の心を壊したら誰も幸せになれないと考え、
不妊治療をやめるという選択をしました。

2)不妊治療と仕事の両立を難しくさせる4つの負担

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95.6%が「仕事との両立が困難」と答えた不妊治療。私が出した結論とは。
私が感じた不妊治療の負担を、他の不妊治療中の女性たちはどのように受け止めているのでしょうか?


NPO法人Fineのアンケートでは、仕事をしながら不妊治療を経験したことがある人のうち95.6%が「仕事との両立が困難」と感じたという結果が出ています。


また、仕事と不妊治療の両立が困難で働き方を変えた理由(複数回答)の上位3位は「通院回数が多いから(76.4%)」「診察・通院に時間がかかるから(67.9%)」「精神的に負担が大きいから(57.8%)」でした。
http://j-fine.jp/prs/prs/fineprs_ryoritsu2_1710.pdf


不妊治療をやめようと思った理由の上位3位として「精神的に不安定になったから(60.4%)」「経済的に苦しくなったから(35.6%)」「身体の調子が悪くなったから(16.6%)」が挙げられているアンケート結果もありました。
https://news.mynavi.jp/article/20161017-a183/


つまり、「不妊治療と仕事との両立が困難」とほぼ全員が考えており、その理由としては「時間的負担」「精神的負担」「体力的負担」「経済的負担」が主に挙げられるということが言えそうです。

3)不妊治療の精神的負担とは

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95.6%が「仕事との両立が困難」と答えた不妊治療。私が出した結論とは。
「時間的負担」「体力的負担」「経済的負担」は、数値で表せるものなので、理解しやすいですね。それでは、「精神的負担」とは一体どのようなものなのでしょうか?


不妊治療に際し、女性は(男性も)様々なリソースを費やします。


仕事を急に休まなくてはならず、社会的信用を損なう恐れがあったり、
健康な体に注射や投薬をしなければならなかったり、
なけなしの貯金を切り崩すしかなくなったり…


自分が持っているリソースを絞り出したとしても、
結果が出るかどうかはわからないのです。


体外受精の成功確率は治療1回あたり12%程度というデータもあります。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11HDZ_S7A910C1CR8000/


辛い治療が今後何十回も続くかもしれない。
今までかけたお金がすべて無駄になる可能性だってある。
しかも、自分の努力と結果が必ずしも結びつくとは限らない。


その事実によって、不安な気持ちへと追い込まれていくのです。


努力と結果が結びつき、先の予測を立てることができるビジネスの世界に生きてきた女性にとって、これほど辛いものはないかもしれません。

4)「頑張りたくても頑張れない自分」に初めて出会う

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95.6%が「仕事との両立が困難」と答えた不妊治療。私が出した結論とは。
私が不妊治療を通じて出会えたのは、
「頑張りたくても前に進めない自分の姿」
でした。


今まで、人生の節目節目のことはだいたい頑張ってきました。
ものすごく苦手なことだって、結果は出せなくても、とりあえず前に進むことぐらいはできました。


しかし、私にとって、不妊治療は、心では頑張りたいと思っても、立ち止まって動けなくなる、初めての経験だったのです。


今までの私は、生きづらさを感じている人に対して心無い言動を取っていたかもしれません。


「頑張りたくても頑張れない自分」に向き合う経験は、そのような自分を反省するきっかけにもなりました。

5)新たな希望へ

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95.6%が「仕事との両立が困難」と答えた不妊治療。私が出した結論とは。
最後の2〜3か月間、自分の気持ちに折り合いをつけるために、不妊治療をやめた方や子どもを産まないという選択をした方が書いた本や記事をたくさん読みました。


その中で、私の中でストンと胸に落ちたのが、数年間不妊治療を続けた後、やめる決断をし、その後保育所を開設したご夫婦の話でした。


自分が子どもを持つことができなくても、他の人が子どもを育てられる場を作ることはできるという考え方は、私の心をすっと楽にしてくれました。


たとえ自分は母親になるという経験ができなくても、今からしっかりと会社を経営して、きちんと拡大していけば、100人の女性が産んで働ける環境を作ることができるのではないか。そのように考えることで、今からの人生に新たな希望が見えてきました。


人生は、思いどおりにはいかない。
でも、思いどおりでない人生は、いろいろなことを私に教えてくれます。


新しい視野を与えてくれた、ちょっと辛い経験に感謝して生きて行こうと思います。
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