心の「不倫」~バツイチおひとりさま男性に惹かれていくわたし~

作者: ヒメノワ
  2018/3/9

仕事先で出逢った彼。もう私は夫を愛せないのかもしれない。


コンサルタント会社に勤務し夫と大学生になる娘をもつ菜々子さん(47才)は、気持ちを整理するように打ち明け、ヒメノワ掲載にも了承してくれました。


ただし記事は菜々子さんが特定されないよう、脚色し掲載しています。

ありふれた日常が変化する

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40歳をとうに過ぎていて、おばさんと呼ばれる世代ですが・・・。彼の指先がほんの少し、肩に触れた。すれ違ったとき、ふわりと彼の匂いが漂った。その刹那、もっと触れたい、接したいという気持ちが盛り上がる。若いころに感じたあの情熱はまだ自分に残っていたんだ。「いつまでも恋する感覚を味わいたいという気持ち」について語るジャンルです。
仕事、家事、子育てについて、何も言わず何もしない夫。けれど比較的に自由にさせてくれていたので大きな不満はなかったそうです。


ちょうど一年前、クライアント先から京都に新事業のジュエリーショップをオープンさせたいとの依頼がまいこみ菜々子さんは担当に指名されました。毎週、水曜から土曜まで新横浜から京都へ行くことになるのですが、夫は「身体には気をつけろよ。」といつもと同じように送り出してくれたそうです。


その出張先の京都で店舗を管轄する男性マネージャーN氏(48才)と出逢うことになります。彼は仕立ての良いスーツを軽快に着こなし、きちんと整えられた襟元と、きれいに結ばれるネクタイで菜々子さんの目を楽しませてくれたそうです。


ある日「京都の地下鉄が覚えらなくて、いつも迷ってしまう」と菜々子さんが言ったのをきっかけに、N氏は駅まで送るようになり、そのうちに夕食も一緒にとるようになりました。


仕事も順調で、店舗内装、スタッフのトレーニング、プレオープン、グランドオープンも大盛況をむかえました。その喜びを二人で分かち合うために洒落たレストランに車で行き、そこから毎日、菜々子さんを車に乗せて、夕食をとったあとにホテルまで送り届け、場合によっては朝はホテルへ迎えに来るようにもなっていったそうです。

菜々子さんの独身男性との付き合い方

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心の「不倫」~バツイチおひとりさま男性に惹かれていくわたし~
プライベートをずっと一緒に過ごす事について、抵抗はなかったのですか?と尋ねました。


「危うい雰囲気になる事はなかったし、普段から女性に優しく友人も多い人なので、誰にでも同じことをしているだろうし、既婚者である私は対象外という安心感もありました。」
そして菜々子さんは続けて語ります。


「仕事柄、色々な職業の男性に接しますが、多くの男性は、既婚女性には一定の距離をとります。その距離から眺めて職業、立場による匂いというか、押し出す雰囲気、家族構成、視覚的要素も含めて、肌感覚に刻みこんでカテゴリー分けをするのを日ごろからなんとなくしています。


男性とは気持ちを共有する事は難しいと思っているので、それをもとに男性との仕事上の運び方、付き合い方、間合い、時には自分にとって危険があるかないかとかの判断材料に使っていました。


でも独身男性と親しくなるのは初めてでしたね。フットワークの軽さとか、押しの強さ、演出の仕方、そしてちょっと不安定な部分を可愛らしく感じ、興味を持ってしまいました。なによりも出張先の京都では、仕事もプライベートも、自分が思うままに使える時間が存分にあるんです」

距離はどんどん近づいていく

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心の「不倫」~バツイチおひとりさま男性に惹かれていくわたし~
N氏は幼少時代の遊び、青年期の武勇伝、多岐にわたる趣味を楽しく語り、そして8年前に離婚をしていたこと、家庭を壊してしまった責任は自分にあり、自分は女性を幸せにする自信がないと苦しそうな表情になること、たくさんの女性友達がいるが、関係を持てば虚しさがこみあげてくること。色んなことを菜々子さんに語りました。菜々子さんはそれをいつも静かに聞いていたそうです。


仕事が終わると毎日のように、少し遠回りをしながら京都をめぐり、いつも楽しい話をしてくれて、サプライズな演出もよくあったそうです。


ライトアップされた夜桜を二人で見に行ったときは、N氏から「来年また一緒に見に来ましょう」「ずっと一緒にいたい」と言われたそうです。初対面からそれほど日にちが経っておらず、なんとなくお互いが探り合いをして、空気を敏感に読んでいた時期なので、N氏が言うことをすべて肯定し、かつ受け入れなければ、この楽しい関係が壊れてしまうかもと菜々子さんは考えていました。


しかし、距離が近すぎるかも…、とも感じており、そんな時は、あえて気がつかないふり、聞こえないふり、時には微笑んで受け流していたそうです。

「大事な人と思っています」

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心の「不倫」~バツイチおひとりさま男性に惹かれていくわたし~
ある日、小さなトラブルがあり、菜々子さんがN氏に強い口調で叱責したことがありました。


N氏は謝罪しながらも、「大事な人と思っています」と言いながら菜々子さんをなだめ、そしてそっと手を重ねていました。N氏はすぐに手を放してくれましたが、このことがきっかけで菜々子さんにプレゼントを渡すようになりました。菜々子さんは、うれしくなり受け取っていたと語ります。


菜々子さんは語ります。


「なんでN氏は普通にお付き合いができる独身女性でなく、自分に執着をするのだろうと考えました。たぶん家庭を壊してしまったことを悔やんでいたので、その心の隙間を埋めるのにちょうど良かったのだと思います。


出かけると夫婦とよく間違われたのが、すごく嬉しそうでした。だから私は、彼にとって時には妻であり、ひとりの女性であり、寛容な母であったのでしょうね。また既婚者であるがゆえに、彼に対して必要以上に踏み込んでこれませんから、彼には都合がよかったのだと思います。」

自分自身の変化に気が付き……そして

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心の「不倫」~バツイチおひとりさま男性に惹かれていくわたし~
横浜の自宅に帰ると、菜々子さんは自分の変化に気がつきました。


N氏が近くにいるのは心地よく感じるのに、夫が近くに寄るのは嫌になり、同じ部屋にいるのも嫌になってしまったそうです。「彼と深く肌を合わせていたら、どうなってしまうのかと胸が締め付けられる思いがしました。女性ってそういうものかもしれません。というより私はそうなってしまうのだ。と自覚しました。」


やがてプロジェクトは終わり、京都へ行くことがなくなりました。


今でもN氏から「会いたい。春に京都に招待するから、一緒にまた桜を見よう。」と何度も電話があるそうです。もし、菜々子さんがOKを出したら、彼はすぐに実行するでしょう。

間もなく春がやってきます

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心の「不倫」~バツイチおひとりさま男性に惹かれていくわたし~
間もなく春がやってきます。菜々子さんはどのような選択をするのでしょうか。


「真っ先に考えるのは娘の事ですね。娘にどのように思われてしまうか、それを……考えると。


でも私は働いているので経済的に自立をしています。自由になるお金もあるので遠距離での付き合いも可能ですし、京都ならば誰かに知られてしまう事も少ないでしょう。でも女性の不倫は世間では厳しく、知られてしまえば大切な人たちの信用を失うとともに、仕事にも影響がでるかもしれません。


一方、離婚の選択もありますが、思い出すのは彼が自分の責任で家庭を壊し後悔している姿です。長い時間をかけて作り上げてきた日常は、失ってからその大切さに気がつくのでしょう。」そう言ってバッグからスマホを取り出し操作をしながら話を続けました。


「私は横浜から離れたくないので、彼のそばに寄り添えないですね。であればこれは一時の気の迷いでしかありません。だけどそんなに強くないですから、心が揺れる間は連絡を絶つことにします。連絡がとれないと知れば、すぐあきらめると思いますよ。だって彼は独身女性と誠実なお付き合いが出来ない人ですから、粘り強さなど持ち合わせていないでしょう。」

記憶は自分の都合よく塗りかえられる。

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心の「不倫」~バツイチおひとりさま男性に惹かれていくわたし~
さらに菜々子さんは語り続けます。


「あとは、私の気持ちを立て直さなければいけないですね。強い感情と結びついた記憶は忘れにくいと言いますが、何度も思いだして反復すると良いそうですよ。


シロクマ実験という名称なんですが、被験者を3グループに分けてシロクマの1日が記録されたビデオを50分見せたあとに告げるそうです。
1)シロクマの事を覚えておいてください
2)シロクマの事は考えても考えなくてもいい
3)シロクマの事は考えないでください


そして1年後に来てもらい、どのグループが詳しく内容を覚えていたかというと、3)の「考えないでください」と言われたグループが一番覚えていたそうです。忘れよう!と思うたびに、脳が何を忘れるかをチェックする機能を働かせるので、より鮮明にそのまま記憶として残ってしまうそうです。


記憶のメカニズムは脳の格納庫から、引っぱり出して納める。の繰り返しをしますが、そのたびに違うタグをつけるそうです。


最初に思い出すときは辛くて、辛くて仕方がないのですが、時間の経過とともに冷静さをとりもどし、あの人はこうだったかもしれない、実はあんな性格だったのかもしれない。そんな人を好きになった自分が悪かったかもしれない。あるいは自分にとって必要な経験だったのかもしれない。と色々なタグをつけるようです。記憶そのものは変わらないのですが、記憶の意味あいが変わり、強烈だった感情もおさまり、それと結びついた記憶も薄れていくそうです。


辛いと思う出来事は、何度も思い出して、その中に価値を見出しましょう。ということです。だから私はしばらく彼との記憶と向き合って、反復して、昇華させる作業を続けるかと思います。どのくらいかかるのかなぁ」と微笑みました。


話をはじめたころの菜々子さんはときおり切なそうな表情を浮かべていたのですが、会えない時間の中で冷静に自己分析。自分が前向きになれるようなタグをつけて、記憶の塗り替え作業をはじめているようです。
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