おひとりさまの死と相続  <孤独死をしないための生前からの対策>

作者: ヒメノワ
  2017/11/17 更新

おひとりさまの死と相続<孤独死をしないための生前からの対策>
行政書士・家族信託専門士 時田 美奈


ひとり暮らしをしているおひとりさまが誰にも看取られずに急死してしまったら、どんな処理がされるのかを前回のコラムでお話ししました。


いわゆる「孤独死」と呼ばれる寂しい最期を迎えないためには、どのような対策を講じておけばよいかを、今回お話ししたいと思います。

気づかれにくい「おひとりさま孤独死」の落とし穴

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いまや長生きがリスクです。長生きしても満足に働けなければ意味がない。しかも、自分とさほど年が離れていない人の訃報。あんなに元気だった人が死んだらそれっきりになってしまう・・・身近に迫る「死」の問題について、専門家の意見を交えながら語るジャンルです。
自宅などでひとりで亡くなるのは、必然的に身内がそばにいないおひとりさまが多くなります。


おひとりさまといっても、高齢者のひとり暮らしの場合は、行政が社会問題として見守り策を講じていたり、近所の人たちが気にかけていたり、後見人が付いていたりなどする場合があるので、未然に防げる可能性が実は少なくありません。


しかし、大学生や社会人になってひとり暮らしを始めた若者や、忙しく仕事に打ち込むひとり暮らしのヒメノワ世代は、周囲からそんな心配をされることがあまりないため、孤独死の落とし穴に陥りやすいといえます。

ヒメノワ世代の孤立を考える

社会的にも経済的にも安定しているヒメノワ世代が、もしもそれまでの仕事を辞めてしまったら、これまでの人間関係はそこで途切れてしまいます。


辞めて間もないうちは、元同僚との交流もあるでしょうが、それもやがては共通の話題が減っていき徐々に無くなっていくでしょう。まして、辞め方が円満でなかった場合はそのような機会がそもそもないかも知れません。


また、会社勤めではなく個人事業主である場合、何らかのコミュニティに所属していないと、しばらく連絡が取れなくても誰からも気付かれないということも考えられます。

「孤独死」への第一歩とは

多忙な仕事に追われ職場と家との往復だけという生活の中で、ひとたび体調を崩したり心労による精神的なつまづきがあると、それをきっかけに生活が乱れていきます。


身の回りを整えるのが億劫になり、部屋が散らかって人を招けない状態になった時から、孤独死への第一歩が始まるのです。


そこで、周囲から早い段階で異常に気づいてもらえるために有効となる対策をいくつか挙げてみます。

家と職場以外の「第三の場」をいくつか持つ

これは以前からよく提唱されてきたことですが、ひとりで寛げる場所としてカフェや居心地のいい酒場などを指すことが多いです。


しかし、ここで指すのは「仕事以外で定期的に人と交流できる場所」です。


習い事や趣味のサークルあるいは本業以外のビジネスチームなど、自分がそのコミュニティの一員として所属し、メンバーから存在を認識されている場を持つことです。


それにより、連絡もなく参加しないときに心配されて連絡をしてもらえる可能性が大きくなります。曜日を変えていくつか持つことで交流機会のスパンが短くなり、さらに発見が早まるでしょう。

安否確認システムの導入

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家の中で倒れた場合に備えて、人感センサーシステムを設置しておくという方法があります。


部屋の中での人の動きを感知し、一定期間それがない場合はあらかじめ登録していた人へメールが送られるしくみです。


また、スマホアプリでも多くの商品が販売されており、目覚ましアラームを停止すると登録した人へ無事というメールが送信されるものや、充電を一定時間以上し続けていると異常と知らせるメールが送信されるというものなどがあります。


これらの特徴は、従来の商品の多くがボタンを押すなどして安全を知らせるという能動的な行動が緊急時には難しいという問題をクリアしていることです。

定期連絡サービスの契約

ひとり暮らしの人へ定期的に安否確認をするということを業務として行っているNPO団体などに登録するものです。


安否確認システムが機械を介して通報や連絡がされるのに対し、このサービスは担当者が電話やメールなどで連絡を直接してくれるしくみです。


ただ、高齢者向けのサービスを謳っているところが多く、頻度や方法が硬直的な場合もあるので、自由な設定を望むのであれば、個人的に士業などと「見守り契約」を結ぶのもよいでしょう。


いくつかの対策を挙げましたが、いちばん大切なのはやはり普段から周囲とのコミュニケーションをとり、信頼関係を築ける人を持っておくことです。


面倒だから、ひとりが快適だからと他人との関わりを怠っていると、いざという時に誰からも気に留められずに不本意な最期を迎えることにつながります。


こんな時代だからこそ、「遠くの親戚よりも近くの他人」なのです。

安否確認と孤独死を防止するサービスを紹介

参考までに、安否確認システム・孤独死防止アプリ、定期連絡サービスの一例をご紹介します。


【安否確認システム】
「いまイルモ」株式会社ソルクシーズ
「ifまもる君」有限会社インターフェース

【孤独死防止アプリ】
「元気にしTEL?」
「安心おしらせメール〜孤独死防止〜」

【定期連絡サービス】
「朝の対話による見守りサービス」コミュニケーションパートナー株式会社


【士業による「見守り契約」について】
行政書士や司法書士といった法律系士業が任意後見契約の前段階として契約をするものです。高齢者を対象とすることが多いですが、現役世代でも希望すれば単独で契約することができます。個人の士業でもよいですが、見守る側のリスクヘッジとして法人に属している人の方が安心かもしれません。


image:Freepik
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